立ち上がれ、板橋区民。〜グリーンカレッジ講師拝命ス〜
10月。本格的な秋はやって来るのか?
成増アートギャラリーでの写真展開催から早2週間。それ以前の半年間を本の出版と展示の準備に費やし、真っ白な灰となって燃え尽きていた心に、ようやく新たな火種が燻り始めた。板橋区民は、今月末から開催される「板橋グリーンカレッジ」の講義の一コマを受け持つ様に、板橋区より下名されているのだ。
「板橋グリーンカレッジ」とは、2009年に志村3丁目にオープンした公共施設で、区内在住・在勤の60歳以上の区民を対象に、区民の多種多様な学習意欲に応えることを目的に開校した二年制の高齢者大学校である。1年目は教養課程として幅広い分野から多様なテーマについて学び、2年目は専門課程として3コース(文化文学・社会生活・健康福祉)のうち一つを選択し、卒業レポートを作成する。希望者にはさらに大学院まで用意され、3コース(文化文学・社会生活・健康福祉)のうち一つを選択し、ゼミナール形式で学習し、講義とグループ学習を経て、グループごとに研究発表と卒業レポートを作成を行う。
そんな格式高い学びの場に、生徒ではなくいきなり講師で派遣されることになってしまった。役所からは「板橋と飛行機」について講義をしろと指示されている。板橋と飛行機?うーん、”板橋とかけて飛行機と解く、その心は?”と板橋区民の心に問いかけても、成増飛行場のことをしゃべるならともかく、”板橋と飛行機”と云われてもなあ‥と暫し考え込んでしまった。と、数日間、うーんうーんと唸っていたのだが、今年に入って、というよりコロナ禍になってからすっかり過疎と化してしまった当ブログだけれど、ネットの時代が始まり、ブロブという新たな表現の場を得て張り切って記事を書いていた10数年前のことを思い出した。そこにすでに答えはあったじゃないか。
そうだ、そうだよ、板橋と飛行機、あれだ、あれだよと板橋区民の前頭葉からの伝達が大脳皮質へ届き、古い記憶が引き出された。題して板橋と飛行機三部作、「舞いあがれ!板橋の鳥人・伊賀男爵」、「髭の遠藤辰五郎」そして「成増の空に」である。
「舞い上がれ!板橋の鳥人・伊賀男爵」とは、1911年(明治44)2月、廃止されたばかりの板橋競馬場跡で、滑空機(グライダー)による飛行機の飛翔実験を行った伊賀男爵の夢とロマンを描いた話、「髭の遠藤辰五郎」は、関東大震災のために西板線の敷設をあきらめた東武東上鉄道から、車両基地として確保していた土地(のちの常盤台住宅地)を借受け、飛行学校を開校した元陸軍准尉、遠藤辰五郎の心意気を描いた話、「成増の空に」は、東京都区部に置かれた唯一の陸軍飛行場で結成された特攻隊の悲劇について語った話である。
それぞれ、我が板橋区の長い歴史の中で実際に存在した出来事である。そしてそれらは公刊されている板橋区史などにはあまり触れられなかった歴史でもある。よし、これで行こう。これこそ古文書も読めない、漢字の読み書きすら碌にできない市井の研究家に相応しいお題ではないか。
と、意気込んだのは良いが、新たな追加資料を探すため猟歩しなくてはならない。ああ、早く暑さが納まります様に。。
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