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板橋区民、心を取り戻し、涙する。〜さようなら豊島園、FINAL DAY.〜

 

2020年8月31日、豊島園が94年間の営業を終了し、閉園した。正直、こんなにも長く続き、人々に愛された施設の最後を見届けるとは思わなかった。これからもごく当たり前のように存在し続けるのだと気にもかけていなかった。

遊園地はこれから解体され、ハリーポッターの施設と災害時の避難場所としての練馬城址公園となる予定だそうだが、それにしても練馬区は大きな宝を失ったようだ。そも100年も続く施設なんてそうそうあるものではないし、豊島園は練馬区のランドマークであったはずで、それが戦争や天災や致命的経営破綻で失われたのではなく、ただ人間の都合によって終了させられたのがもどかしい。愛する人々により大きく育った大木が、無残にも目の前で切り倒されてしまったような気分である。

板橋区民も閉園最終日を見届けるために久しぶりに出向いた。久しぶりにしか行かないのに閉園と決まったら文句を言うワガママな人間、と揶揄するヒトもいるけれど、豊島園という場所は必要であると思っている人は大勢いるだろう。災害時の避難場所として、跡地に巨大なシェルターを建設する訳でもなし、別に遊園地を潰さなくても良いだろう。そのままの方が避難所として、子供達にはうれしいのではないだろうか。

園内は、歩道の整備をやめているのか樹木の根による凸凹が目立ち、雑草も生え放題で荒れた感じを受けた。しかし、至る所に豊島園スタッフによる「さよなら、ありがとう」の気持ちを現した掲示や小物で飾られていたり、そして、何と言っても子供達の笑顔や歓声で溢れていた。そんな優しい空間に身を委ねているうち、普段、面白くなさそうな顔をして暮している板橋区民の心も緩んできた。

午後7時を回ると園内の遊具が次々と終了し始め、あちこちで惜別の歓声と拍手が沸き起こっていた。そして、1971年以来、回転し続けた豊島園を象徴するカルーセルエルドラドのラストランが始まった。そのまわりを大勢の観客が取り囲みその最後を見つめていた。エルドラドが動きを止め、照明が消されるとひときわ大きな拍手と歓声が起こった。午後8時半からはエルドラド正面で閉園のセレモニーが行われ、全スタッフが登場すると、最後に無人のエルドラドがグランド・ラストランを行い、何千人もの人々がその姿を見送った。涙、涙のお別れだった。

蛍の光が流れる中、後ろ髪を引かれながらメインゲートへ行くと、驚くことに、出口には入場できなかった大勢の人が集まり、警察も出る騒ぎとなっていた。豊島園駅に向かう道の両側にはスタッフがずらりと立ち並び、お客さん一人一人に手を振り見送りをしていた。その感動的な光景は、何年か前に訪れた父島を去る際に、二見港を出港するおがさわら丸を見送る島民の光景と重なった。走るおがさわら丸を追いかけ、何艘もの漁船やクルーザーが並走し、手を振ったりパフォーマンスを行う姿は感涙ものだった。

閉園から数日のインターバルを置いたのだが、板橋区民の心に空いた穴はまだ塞がらない。何十年も思い出の中にしかなかったのに、不思議な気持ちである。

 

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