板橋区民、あまり寒いので昔通ったラーメン屋を思い出す。
今年は暖冬だけれど、平年並みの気温の日はとても寒く感じますね。特にみぞれまじりの天気の時は。
そんな寒い日には、温かい饂飩やおでんや鍋物が食べたくなりますね。でも、やっぱりラーメンがいいかな。ラーメンは、未だにマスコミで特集される不思議な料理であり、1980年代からずーっとブームが続いているような気がする。そのきっかけは、たぶん1982年(S57)に料理評論家の山本益博氏が出版した、「東京 味のグランプリ200」からだろう。この本では山本氏が選んだ店を星印で評価する方式で、元はミシュランガイドブックにヒントを得たのだろうけれど、「すし」「そば」「天ぷら」「うなぎ」など日本独自の料理別に分けられており、そこに「ラーメン」のジャンルがあった。
世の中はちょうどバブルの入り口期、もはやファミレスも浸透していて外食も当たり前の世の中となっていた。当時、グルメと言えばフレンチとかイタリアンとかビフテキとか本格的な中華料理などだったけれど、星印グルメ本に”ラーメン屋”が入っているのが斬新だった。権威に弱いのは日本人の特徴であり、”敷居の低い庶民食の代表のようなラーメン屋が権威に認められた、ラーメンが美味いって堂々と言っていいんだ”、と多くの日本人がこの本で気がついたのである。もちろん、マスメディアも飛びつき、以降、ラーメン特集番組が作られるようになっていった。
基本的なラーメンとブームの変遷については、「ラーメン博物館」のHPで確認していただくとして、いろいろな種類のラーメンの中でも板橋区内でもっとも流行ったのが、いわゆる”環七ラーメン”と呼ばれたカテゴリーに属し、常盤台の環七沿い、東上線高架近くにあった「土佐っ子」だ。閉店してすでに20年以上経つので若い人は知らないだろうけれど、それはそれは大人気で、バラックチックな店に、毎晩大勢の客が詰めかけていた。
「土佐っ子」は、いわゆる背脂チャッチャ系のラーメンを提供する店で、店内全てが油でヌルヌルし、清潔でお上品な人は絶対に近づけない所だった。あまり客が多いので独特なルールが存在していた。10人程度が横一列に並ぶカウンターしかないような店で、注文をするとマジックで印を付けた割り箸を渡してもらい、カウンターで食べている人の後ろにならぶ。ドアはたしか開けっ放しで、なんだか巨大な屋台のようでもあり、運動会でかけっこの順番を待つような気持ちがした。もちろん、前の人が食べ終われば入れ替わりとなり、友人と一緒におしゃべりしながら食事をできる雰囲気ではなかった。
板橋区民も何度か通ったけれど、翌日はお腹を必ず壊した。しかし、それでも食べに行くという魔力が、確かにあのラーメンにはあった。ある年の冬、大雪の降りしきる中で食べた”土佐っ子ラーメン”は忘れられない。今でも、寒い日には、あの不健康そうな背脂がたっぷりかかった、ジャンキーで悪魔的なラーメンを思い出す。。
今年に入って、当時の様子を取材したテレビ番組が、ある方のおかげでYouTubeにUPされていた。あの時の思い出が一瞬にして蘇ったが、飢餓感は増すばかりである。
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コメント
いつも楽しみに拝見しています。「土佐っ子」…懐かしいので久々にコメントさせて頂きます。30年ほど前、私もまだ20代の頃、若気の至りで(?)ラーメンの食べ歩きをしていました。当時から清潔でもお上品でもなかった私は、土佐っ子さんにも何回かお邪魔させてもらいました。正直、味はあまり思い出せないのですが、並んで、割りばし持って「食べた~」という満足感がありました。
あれから30年…今では、あの若さの象徴のようなエネルギッシュなラーメンを食べようとも思えず、せいぜいカップヌードルミニが関の山です。土佐っ子さんはその後「下頭橋ラーメン」になったのかな~と勝手に思っていましたが、本当に人気のラーメン店でしたね。
投稿: izumi | 2020年1月23日 (木) 20時55分
>>izumiさま
コメントをありがとうございます。記憶では、ついこの間のことのようですが、動画を見るとずいぶん前のことだったんだなと感じますね。東武ストア前の「下頭橋ラーメン」の店主は、土佐っ子の閉店時にいらした方ですが、やっぱりあの時代、あの場所のあの乱雑さで味わった記憶補正が、懐かしい思い出となっているのでしょう。
投稿: オーク | 2020年1月23日 (木) 21時40分