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板橋区民、ドキュメタリー映画を見に行く。

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最近はハロウィーンが派手になってきたせいか、クリスマスの盛り上がりを感じなくなりましたね。

先日、ドキュメンタリー作品を上映しているポレポレ東中野へ行きました。ミニシアターは塚本晋也監督作品「野火」を渋谷の箱へ観にいった時以来でしたか、この「野火」は、その後ヒットして現在アマゾンプライムでも観れるようになっています。今回ポレポレ東中野で鑑賞したのは、「陸軍前橋飛行場」という作品だ。

前橋飛行場は、アジア太平洋戦争の開戦により航空要員の急速な養成を目的とした教育用飛行場として群馬県高崎市に計画された。陸軍の担当者が飛行場建設を予定地の住民に伝えたのが1943年の5月で、9月に工事が始まり翌年2月に仮設滑走路が完成し、8月から運用された。いきなりの土地強制買収と地元住民や国民学校生徒、青年団や在郷軍人会による勤労奉仕、前橋刑務所の囚人や朝鮮人労働者を動員した突貫工事による建設。飛行場は少年飛行兵や特別操縦見習士官の訓練場として使用され、1945年2月からは特攻隊の訓練も始まった。根拠地とする戦隊こそ置かれなかったけれど、成増陸軍飛行場と似たような経過を辿っている。そんな経過を経た飛行場を題材にしたドキュメンタリー作品なので、興味を抱いて映画館まで足を運んだのである。

東中野駅に隣接した雑居ビルの地階にある映画館、ポレポレ東中野は初めての訪問だ。メジャーでは配給上映できない個性的な作品のパンフレットが並ぶ階段を降りると受付がある。館内は3割くらいの入りか、本日は最終日なので上映後、飯塚俊男監督による舞台挨拶があるのだがちょっと寂しい感じがした。(すでに一年以上前に公開されていて、地元高崎はもとより全国各地で上映されている) 映画の構成は、戦争勃発により陸軍前橋飛行場が設定されたことから始まり、当時の状況を知る方々へのインタビュー、地元の村の責任者が書き残した緻密な記録の存在、飛行場が出来る前後の地元の人との関わりや風船爆弾の製造、前橋空襲の様子、特攻兵と女学生のエピソードと感化された現代の十代?の若い女性が思いをはせる場面、そして最後に過去の記録を保存するアーカイブの大切さを訴える、と言った流れだ。

 

上映時間は約70分、このドキュメンタリーを観た板橋区民の感想だけれど、おそらくは戦争を知らない、あるいは余り知識のない方々へ向けての映像作りをしているので、説明のための真珠湾攻撃の映像やミッドウェー、サイパン島の戦いや特攻隊などメディアで幾度となく使われてきた動画が多用されており、映像で見せるオリジナル資料が少なかったためなのか、そのあたりを証言者へのインタビューで補うが、(しかたがないことだけれど)すでに軍人や関係者として直接関わった方々がいなくなってしまっていたので、当時子供だった世代の体験したことや、彼らが親から聞いた話しが主で、迫力に欠けた感は否めない。さらに、地元を意識したためか、特産品であるコンニャク糊を使った風船爆弾製造や前橋空襲の状況を時間を割いて入れ込み、最後には記録資料保存の大切さを訴えるため、福田元首相(息子のほう)へのインタビューやアメリカの公文書館の紹介までするという念のいれ方であった。実質60分強の映像でこれだけ詰め込まれると、陸軍前橋飛行場の存在が霞んでいるのでは、と感じた。

当時の資料の少なさには同情するけれど、このドキュメンタリーの肝となるであろう、冒頭で紹介された地元の村の責任者が残した「戦時中の記録」をもっと生かした映像作りは出来なかったのだろうか。もっとも、執筆をした方が子孫へ向けこの記録は公開するな。と命じており、これは、足かせを嵌められるというか、いわゆる”呪いをかけられた”状態であり、この問題を克服してくれる過程があれば、板橋区民にとって非常に有益なドキュメンタリーとなったのではと惜しまれる。

ではなぜ記録の公開を止めたのだろうか。その理由の一つとして、記録を丹念に行ったため、戦時中、村民の誰がどんなことを発言し何をしたのかということが残ってしまい、無条件降伏の敗戦となり、戦後は価値観ががらっと変わってしまった時代にそんな記録が公開されれば、村の秩序が保てなくなることを恐れたのだろう。記録の公開には百年単位の時間が必要で、「歴史は乾いてから歴史になる。」といわれる所以なのだ。

いろいろ思いつくままに書き連ねてしまったが、この映画は、前橋飛行場をメインタイトルにしなかった方が良かったかもしれない。

 

 

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