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板橋区民、戦跡に立つ。

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残暑、厳しいっスね。せまりつつある台風のせいかな。

そんな残暑厳しい中、板橋区民は東京都東大和市に残る「戦災変電所」を見学した。おかげさまで当ブログを開設してから12年余、コメント欄を通じて有益な情報をいただいたり、コメントをきっかけにメールのやりとりを続けている方もいる。その中に、ごく初期の頃にコメント欄を通じて、板橋区民の書いた記事をご自分が執筆している本に載せたいと申し出てきた女性がいた。今回、その方から変電所の見学をするので、一緒にどうですか、とお誘いをいただいた。

この「戦災変電所」の存在は昔から有名であり、1993年まで所有する企業が使用を続けていた。その後、市へ有償譲渡され、文化財に指定され現在に至っている。建物の管理は、休止状態だった以前の保存会が戦後70年をきっかけに新たに復活し、毎月第二日曜日に見学案内を行っている。ただし他の日でも、保存会の都合がつけば特別に見学させていただける場合もあり、今回は特別に案内をしていただいた。

以前から見学をしたいと思っていた板橋区民は、一も二もなくこの話に飛びつき、当ブログを通じて知遇を得た方々(戦争時の研究をしていたり興味を持つ方)などに連絡をした所、数名の方から参加の希望いただいた。中には板橋区立郷土資料館の学芸員氏や私の敬愛するブログ「連合国海軍により日本本土攻撃」の主催者氏も来てくださった。氏はそのスキルを生かして、この変電所を空襲した艦載機部隊の行動記録を調べて資料を作ってくださり、どこから侵入して攻撃したかを解説いただいた。

参加者の中で一番の若手は、最近、当ブログを訪れてくれていた21才の女性で、わざわざ2日間かけて岐阜県の山奥から駆けつけてくれた。いつか板橋区民がこの世を去ってからも、40年近くの未来を生き続けるであろう若い方に話を直接伝えられるのは、大事な機会である。見学会を企画した方も、自分の知り合いである民間研究者の方を数名誘ってこられ、普段孤独に研究をしている身としては、なかなか直接は出会わない方と知り合う機会をいただき、ありがたかった。

見学会の集合は、午後1時と暑もピークの時間だった。最初は建物の中に入り、用意された椅子に腰掛けての座学から始まった。当然冷房なんてないので、中も暑い。板橋区民も更年期のお年頃なので、たちまち汗が滝のように噴き出す。保存会の方は、暑いさなか遠方から来た見学者をもてなそうと、力を込め知っていることはすべて話そうとサービスをしてくれ、熱を込めて解説をする。板橋区民はもうダウン寸前であった。座学が終わると、建物内に掲示してあるパネルをを巡りながらまた解説を伺った。

変電所の内部には、撃ち込まれ貫通した機銃の弾痕がそこかしこに残り、当時もしも中に人がいたならば、さぞ恐ろしかったろうと容易に想像できた。穴を通して差し込む残夏の太陽の光が、眩しかった。一通り中を巡り、建物の表へ出た。あらためて弾痕の跡を眺めると、”ハチの巣のよう”という表現そのものだ。ただただスゲーなあ、と口を開けて眺めるだけの板橋区民だったが、一緒に参加した研究家の方からは、これは100メートル以下の低空からグラマンの片翼3連装の12.7ミリ機銃で、建物を避けるため機体を捻りながら飛びつつ射撃した跡だな、とか、これは徹甲弾の跡か、などマニアックな会話が聞こえてくる。

2時間を超える見学会の後、参加の若い女性が岐阜へとんぼ帰りするというので、せっかく話を聞ける機会だからと玉川上水駅へ向かう途中にあるガストへ寄り休息を取りつつ、オジさんたちが実際に会って直接話を聞いた、戦時中に兵士として戦った人達の体験談をレクチャーした。普段、そんな話を若い女性にする機会がないオジさん方が、ここぞとばかりに一斉に語ったので、結局彼女の心にどんなことが残ったのかは定かではないが、岐阜のお嬢さんは朗に手を振りながらモノレールの人となった。

 

国内には今でも多くの戦跡が残っているけれど、公的な機関による保存が始まったのは、わりと最近になってからである。板橋区民も戦跡巡りは好きであり、過去には小笠原や沖縄に残る戦跡を訪ねたりしている。特に父島には沈んだ貨物船や山の中には墜落した米軍艦載機の残骸や日本軍の車両、高射砲や探照灯などなど戦跡の宝庫だ。しかし、すべては時の過ぎるままに置かれ、朽ち果てて消滅するのも時間の問題と思われる。まあこれも自然な歴史かとおもわないではないけれど、未来に生きる人々は残念がるのではないかと想像する。

 

 

来年は、東大和市がホストとなり、全国的な戦跡保存運動の大会が開かれるそうで、赤塚新町掩体壕の保存を願う板橋区民も、ぜひ参加させていただきたいと思っている。

 

 

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