
暑い。もう夏なのか。
この10連休のある日、板橋区民がときわ通りを走行していると、平和公園で大きな工事が始まっていた様子を目にした。そうか、ようやく新たな板橋区立中央図書館の建設が始まったかと、感慨を深くした。
現在のときわ台駅北口にある中央図書館が開設されたのは1970年のこと。板橋区民も高校生の頃から何度か利用していたが、さすがに設備が古くなっていたことや、近年では練馬区や北区の図書館のほうが充実している感があったので、いつしか足が遠のいていた。
しかし、ようやく待望の新中央図書館が計画されたのが2013年のこと。それでも噂では地域区民によるいろいろな意見があり建設計画は足踏みをしていると耳にしていたけれど、2020年度中には開館の運びとなるようで誠に喜ばしいかぎりである。
新図書館は地上3階地下1階の作りで、緑の中に佇む公園一体型の図書館となる。板橋区民にとって喜ばしいのは、3階に広い地域資料エリアが設けられる予定があることだ。今でも図書館には地域資料エリアはあるけれど、規模は狭いし、肝心の地域資料が各地図書館に分散していて非常に面倒くさく、常々、”ここに行けば全部揃っている”状態を望んでいたので、是非とも公文書館にある資料も含めて移設してほしいものである。
さらに、東京都中央図書館並みとは言わないけれど、練馬区の光が丘図書館のように新聞検索や国立国会図書館の電子化書籍(国立国会図書館内でしかアクセスできない電子化書籍を含む)を検索できるPCシステムを導入していただきたい。光が丘図書館では、光が丘地域の歴史を扱ったコーナーがあり、独自に情報を集めたり、私家本も置いてありとても充実しているのだ。そこには、板橋区民渾身の私家本、「成増陸軍飛行場記」も置いていただいているのである。区内の図書館でも、たまに地域の方が自費出版した本が置いてある所があるけれど、そのような本も一堂に集めていただけたら、と思う。
さて、この新中央図書館が建設されている平和公園には、昔、何があったのでしょうか? ‥そりゃ畑か林だろ。正解。いやいや、そんな近代以前の話じゃなくて昭和の話。
昭和時代、それも戦時中のこと、この場所には「高射砲陣地」が構築されていた。駐屯していたのは、高射砲第116連隊第1大隊第6中隊。6基の7センチ半野戦高射砲が半円状に据えられていた。最近、この近くから高射砲の弾殻が発掘され、郷土資料館に寄贈された。以前記事に書いた「常盤台住民驚く。〜空からP-51Dが降ってきた〜」も、この陣地の放った高射砲弾による撃墜の可能性があるのだ。
戦時中の空中写真を重ねてみると、新図書館の場所には高射砲部隊の付帯設備(宿舎等の建物)があり、戦後は、東京教育大学の桐花寮として使用されていたようだ。一番東側の高射砲の台座がギリギリ工事予定地にかかりそうではあるけれど、なにか遺物でも出てこないかな、と期待している。新図書館開館の暁には、是非、ここに志村地区防衛のための高射砲陣地があったことを、伝えてほしいなあ‥
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