« 1945年1月27日。 | トップページ | 2019年・平成最後の「田遊びまつり」強化週間始まる! »

伝説の人/2019初春。

201912019220193

 赤塚郷にも初雪が降りそうですね。

先日、板橋区内某所にて行われた新年の集いで、あの伝説のフレームビルダー・梶原氏にお会いした。

梶原氏は、1964年の東京オリンピック自転車競技で見たフランスチームの自転車の美しさに感動して本格的にフレーム作りにのめり込み、あのケルビム創業者の今野仁氏らと共に、1968年のメキシコオリンピックで日本人選手としてただ一人自転車競技の代表に選ばれた、井上三次選手の自転車を組み上げた。

残念ながら当時の日本では自転車王国の欧州チームには全くかなわず、スプリントでは二次予選敗退、1000mタイムトライアルは19位と終わってしまったが、フレームビルダーの頂点を目指して研鑽を積み、1974年にオランダで設立されたコガ・ミヤタの技術者として、ツールド・フランスなど名だたる大会で活躍したチームの自転車を作り続けた。しかし、1980年頃、突然世界の舞台から身を引き、以来、幻のフレームビルダーとして語り継がれる存在となってしまっていたのである。

当ブログを始めたころ、ある縁で梶原氏を知った板橋区民は、氏の工房を訪れた時のことを記事にした。すると、記事を見た自転車関係のライターの方などから多数のコメントをいただき、反響の大きさに驚かされた。その後、梶原氏にインタビューをした本や雑誌がいろいろ出てしまい、梶原氏から、あんたがネットに俺のことを書くから身辺が騒がしくなったじゃないか、と苦情を言われる始末であった。

それから時も過ぎ、いまは静かな日々を送られている梶原氏だけれど、相変わらずどこへ行くにも自転車を使っておられるのだが、前回お会いした時、ちょっと前に知り合いの自転車屋と話し込んでいるうちに、店の外に止めておいた愛車を盗まれてしまい往生したという話をお聞きした。その盗人は、あの伝説のカジワラ・フレームバイクとは知らずに盗み、おそらくはどこかに乗り捨ててしまったことだろう。

先日お会いした時も自転車で来られていたのだが、組み立て式の自転車だったので、「この間盗まれたので組み立て式にして、持ち歩るけるようにしたのですか?」と問うと、「最近、ちょっと長距離はね。折りたたんで電車に乗ったりするんだよ。」とおっしゃっておられた。

会合が終わると、梶原氏はささっと自転車を組み上げて去って行かれた。来年2020年は、56年ぶりに東京でオリンピックが開催される。その時、梶原氏は自転車競技をご覧になるのだろうか、そして氏は、どんな感慨をもって観るのだろうか、感想をお聞きしてみたいなあと、去っていく氏の背中を見送りながら、ふと思った次第である。

|

« 1945年1月27日。 | トップページ | 2019年・平成最後の「田遊びまつり」強化週間始まる! »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 伝説の人/2019初春。:

« 1945年1月27日。 | トップページ | 2019年・平成最後の「田遊びまつり」強化週間始まる! »