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ときわ台駅、安堵される。

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 怒涛のUP第三弾。


先週土曜日、”常盤台の景観を守る会”よりお誘いを受け、ときわ台駅開業80年を記念して行われた小さな講演会に出席した。

小さな講演会と言っても、宇都宮美術館の主任学芸員の方を講師に呼んでの解説であり、東武鉄道博物館の花上名誉館長も顔を見せる豪華な集まりだった。

2年前、常盤台住宅80周年を記念する講演が板橋区中央図書館で行われた時、ときわ台駅は帝国ホテルのデザインをした建築家、ライトの影響を受けた仕様で設計され(大谷石を多用した構造)、先に東武鉄道宇都宮線の南宇都宮駅が建てられた後、その設計図を流用して造った駅、との解説を聞いた。

今回は、大谷石の研究家である宇都宮美術館の先生に、ときわ台駅の構造と美しさについての講義を聴かせていただいたのであるが、ときわ台駅は近々解体される、との噂話があり、それは数年前から囁かれていたものだ。その理由は、東武鉄道側は、ときわ台駅舎を木造建築物として捉え、防災上の理由で建て替えを行う方針を示していたのである。

東上線の駅の中でも一際”異彩”を放つときわ台駅が解体される。これは由々しき事態であり、さっそく地元では反対運動が起こっていたけれど、ただでさえ融通の利かない東武鉄道のことである。ましてや出発点が東上鉄道であることから”妾の子”扱いされてきた東上線に、東武は情けなどかけないと誰しもが思っていた。近いうちに、当ブログ上でも”さらば、ときわ台駅”との記事がUPされるんじゃないか、そう板橋区民も覚悟していた。

講演会には、ときわ台駅の改修工事を担当する東武鉄道の社員とデザインを担当している方も同席していた。
講演が終わり、質疑応答の時間となった。堰を切ったように住民の方が口を開く。


住民の方 「もう、駅舎の保存なんて考えてないんだろ?」

東武鉄道 「いたしません。(ドクターX風)」

住民の方 「ほらな、保存はいたしませんかよ。これだから東武は。」

東武鉄道 「駅舎は、取り壊さないので。(ドクターX風)」

住民一同 「えっ?(絶句)」

東武鉄道 「ときわ台駅は、昔の姿に復元しますので。」

〜住民一同、感嘆のどよめきのあと、会場は拍手に包まれる。〜

いや〜驚きました。解体どころか復元とは。

現在、ときわ台駅は改修工事のために全体的に覆いがかけられているが、完成後の予想図がどこにも表示されていない。そのためにいろんな憶測が飛んでいるのだが、最近、地下への階段の近くに新しいトイレが完成して使えるようになった。今後、そのトイレ付近にホームへのエレベーターの建物が建設され、池袋側の部分、交番との間には5階建ての新ビルが建設される予定だ。(1・2階は店舗、他は事務所等の予定。)

そして、本屋(ほんおく)は、今まで券売機が並んでいた部分を撤去し、そこを昔通りの改札口に戻すとの計画なのである。
真ん中の写真は南宇都宮駅舎と、ときわ台駅舎を比較したものだが、オリジナルの姿を維持している南宇都宮駅舎のデザインに戻すことになるのだ。

3枚目の写真は駅構内の簡略図を時代ごとに比較したものだが、一番上が最初の駅舎の構造で、ホームへは構内踏切を渡って登っていたのだが、それはさすがに不可能なので、改札口だけの再現である。その他、現在、タイル張りになっている部分は後年にリフォームされたものなので、それらも修復し、極力、大谷石の昔の姿に戻すとのこと。

いや〜不安になるくらいの大盤振る舞い、にわかには信じがたいが、確かに板橋区民の耳で拝聴した。

いったい、どんな不思議な力が働いたんだろう?

その東武鉄道の方針を決定付けたのが、我らが板橋区役所の教育委員会の強力な提言であった。
教育委員会は地元の要望を聞き、ときわ台駅の貴重性を調査して資料を作り、粘り強く東武鉄道との折衝を行っていたのである。


エライ。板橋区民は感動した。


その代わりではないが、国からのバリアフリーの指針で駅には必ずホームへのエレベーターを設置しなくてはならず、どうしてもそのための建物を造らねばならないこと、営業上、駅ビル(本屋の隣)を建てることが条件となったようだ。常盤台の住人の一部の方々は景観が壊れる、とのことで新たな構造物の建設に反対しているようだけれど、これはしかたないのかなあ、と思う。
東武鉄道側も、なるべく景観を損なわないような建物にしたいとデザインの検討をしているそうで、完成予想図が公開掲示されていないのも、それが理由なのである。

最近の東武鉄道は、東京スカイツリーを立てたり、蒸気機関車を復活させたりと、なかなか攻めているなあと思う。
「ときわ台駅」も改修後はどのような姿になるのか、今後、楽しみにウオッチしていきたい。

[追記]
自分の趣味に走り一方的な記事を書いてしまいましたので、今年9月2日付の毎日新聞記事の一部を参考にさせていただく。


『景観問題が再燃 南口に商業ビル2棟計画』

JR東日本は2020年の完成を目指し、国立駅南口の敷地内に2棟の商業ビルを建設する計画をまとめ、6月下旬、市内の経済団体関係者に説明を始めた。JRによると、高さは4階建て相当の20メートルを想定。延べ床面積は1棟が3000平方メートル、もう1棟はその半分の1500平方メートルを予定している。

 地元の経済・観光団体がこの計画に警戒を強めているのは、市が20年に復元する予定の旧駅舎を、東西から挟む形で2棟のビルが建設され「せっかく再建される旧駅舎がかすんでしまう」からだ。

 高さ約12メートルの木造の旧駅舎は1926(大正15)年の駅開業当時からあり「街のシンボル」として親しまれてきた。90年代、駅の高架化に伴い駅舎を解体する計画が浮上。保存を求める市民運動が起き、結局、市が解体した部材を保存し将来、復元させることで決着した。

 こうした経緯から、国立市商工会など4団体は8月25日、JRのビル建設計画を考えるシンポジウムを市内で開催。約170人が参加した。市商工会の五十嵐一典会長(76)は取材に「歴史や景観を大切にして、将来を見越した開発が必要だ」と話し、計画の再考を求めている。


ときわ台駅も、駅舎を旧の状態に戻すとは一見聞こえは良いのだけれど、要は隣に建設する新ビルの用地を増やすため駅舎部分を縮小するとも言えるのである。

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コメント

ごぶさたしております。
先週仮駅舎に移りましたね。

せっかくお喜びのところ、ご気分を害されるかもしれませんが。
私はこの計画、あまり賛成できません。ごめんなさい。

東武には「あの踏切」を、まず何とかしていただきたかったです。
宮本巡査が犠牲になった…。

中板橋駅付近の細かい連続カーブや、下板橋の先の急カーブでスピードが抑えられるため、優等列車は成増を出るとときわ台まで全速力で飛ばしますから、あの踏切の手前で信号待ち減速を行い、結果として踏切の遮断時間が長くなります。私の目が黒いうちに改善してほしかったのです。

踏切そのものの撤去は困難でも、踏切を使わずに南北移動ができるようにしてほしかったです。
スペースがないというのならば、駅の地下もしくはホームの上階を少し長く歩く構造でも構いません。
南口のビルも築40年を超えているはずで(最近まで「坂戸町」の「町」を削った案内標が掲示されていました)、北口とあわせて全面改築して、今風のおしゃれな橋上駅舎に変身、新駅ビルに東武ストアと蔦屋を移転させて、できたら郵便局と書店を誘致して、板橋区の誇る文化ゾーンとして気分一新再出発…を希望していました。

現在、常盤台には書店がありません。
郵便局も前野町の近くまで歩かなければならず、ATMは狭いスペースに1台のみです。
南常盤台の環七に面する郵便局は早い時間に閉まります。
これらが駅にあれば、どれほど便利になるでしょう。

URが管理している東武ストアと蔦屋の建物は南口ビルよりもさらに古く、見るからに老朽化しています。
西武線の練馬や石神井公園のように抜本的に変えないと、それこそ災害時にも不安が残ります。
練馬区民が「独立」とはしゃいでも反論できなくなってしまいます。

昨年、ちよだ寿司や1000円カットのお店が撤退してフェンスができたとき、ようやく南北直通に腰をあげていただけるのかも?と一瞬胸をときめかせたのですが…。

駅前通りはスーパーオオゼキが出店したものの、長くなじんできた商店や医院の閉鎖が相次ぎ、かなり淋しくなってしまいました。
その一方で、怪しげなお店が駅前に堂々と看板を出しています。

今の常盤台に必要とされるものは古の文化財的価値や景観ではありません。
現にそこに暮らしている人が不便や危険を感じることなく歩ける実利性と、今の時代に即した文化発信源です。

景観を言うのならば、前野町の三徳の隣、元のタクシー会社車庫に大きなマンションが建った時点で既にアウトです。
この物件は常盤台住宅地のほぼ全域で景観を遮りますが、建っている土地は常盤台ではありませんから住民が異議を申し立てることはできません。
一方、不動産業者は「ときわ台駅徒歩6分」で堂々と広告が出せます。
あのマンションは業者の知恵の”勝利”だと見ています。
志村側からは、常盤台の位置がすぐにわかるランドマークの役割も果たしていますし。

あのマンションの完成時に常盤台街づくりは潔く方針転換をして、練馬や石神井公園をモデルにする道を選択してほしかったです。
現駅舎に文化財的価値があるというのならば、それこそ田園調布や京都の二条のように、近隣に移転するプランも作れます。
中央図書館の平和公園移転計画がありますが、その跡地に移設すればちょっとした観光名所にもなれるでしょう。
教育委員会にはそのあたりまで考えて、大局的観点から東武と交渉していただきたかったです。

失礼なコメントとなりました。
どうかご容赦くださいませ。

投稿: Windy 41 | 2017年11月27日 (月) 14時43分

>> Windy 41さま
いつもコメントをありがとうございます。
まさに「木を見て森を見ず」という言葉がふさわしい記事を書いてしまいました。赤塚郷に暮らす私は、ときわ台駅を利用する機会はほとんどないため、そこに暮らす人の目線で考えることがおろそかになっているのだなとつくづく思わされる次第です。

投稿: | 2017年11月27日 (月) 22時35分

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