板橋区民、感激する。⭐️祝!500回記念。素晴らしき哉、赤塚新町⭐️
板橋区民は感激した。第500回記念にふさわしい記事だ。
板橋区民の大好物は、硫化水素臭の漂う酸性硫黄泉、志村坂上のハナマサで買うアメリカ牛、はま寿司、満洲のW餃子定食といろいろあるが、なによりも板橋区内で撮影された古写真を鑑賞するのが好きだ。今年の2月、豪華写真集「板橋区の昭和」が発売されたばかりなのだが、今月、「赤塚新町の昭和」という写真集が刊行されたのだ。
写真集を発行したのは赤塚新町小学校父親の会OBグループで、もともと町会報の発行の際に収集していた写真を母体にして、新たにOB会が古写真を集めたものだ。先に刊行された「板橋区の昭和」とそっくりなので、板橋区の昭和制作に協力し、採用されなかった写真を纏めて作成したのかと思っていたが、聞いてみると全く関係なく作ったものなのだと言う。
さっそく入手し(書店には流通していない)、愛おしく拝見させていただく。写真集の表紙には、川越街道に駐車する外国ナンバーを付けたアメ車がドーンと映っている。
う〜んさすがだ、わかってらっしゃる。この写真一枚で赤塚新町そのものを語っているじゃありませんか。
地元の方には申し訳ないけれど、古の我が赤塚郷は松月院を中心地としていた。だから、古の赤塚新町地域(1969年に、上赤塚町、下赤塚町、成増町の一部が合体して誕生。)は、川越街道沿いではあるけれど昭和に入るまでほとんど家屋もないような土地だった。
変化が始まったのは1930年(昭和5年)12月29日の東上線下赤塚駅開業と、昭和10年代の川越街道拡幅だ。そこへ、成増飛行場建設という大事件が起こった。そして、町の特徴を決定付けたのが戦後、飛行場跡に出来た米軍家族住宅、グラント・ハイツの存在だ。
目に前に、いきなりアメリカがやってきた。
ハイツの中は裕福な外国なので、周りに商売目当ての商店などが集まってくるのは自然の理だ。中に住むアメリカ人は自由に外出できるので、商店も賑わったという。当時はまだ道路は空いており、移動は車が便利なので、たくさんのアメ車がハイツ内にあった。
当然ハイツの中にも自動車修理工場はあったけれど、貨幣価値の差&サービスで儲けを考える日本人業者が群がるのも自然の理だ。今でも川越街道の下赤塚から旧グラントハイツ入り口(お風呂の王様や蔦屋のある道)にかけて、車のディーラーや修理屋が多いのはその名残と考えて良い。
写真集の表紙の写真は、そんな国境に接する赤塚新町の様子をよく伝えている一枚なのだ。
もちろん、戦前にも農家や商店は存在しており若干だが写真集の最初に載っている。表紙を開いた一枚目の写真は、現在の赤塚新町三丁目にあった”ごぼう屋”の「初荷」の様子を捉えた記念写真で、初めて知ったが、ここら辺はごぼうの産地だったらしい。(大根とゴボウは適する土壌が同じなのだそうだ)
もともと写真は記念に撮るもので、人物が中心であり、背景がわかるようなカットは少ないけれど、写真集にある戦時中の出征写真は、時代背景がわかる貴重な記録だ。
戦前の写真で目を引くのは、昭和13年に撮影された下赤塚駅で、それから約10年後に撮影された映画に写る駅前の様子とまただいぶ違ったローカルな景色である。有名だった駅前の桜の木もまだ若く、駅が開業した時に植えられたものなんだなとわかる。
収録されている写真は、川越街道沿いで撮影されたカットが多い。成増から下赤塚まで車ならほんの3分5分で通り過ぎてしまう区間に過ぎず、今ではビルの立ち並ぶ一見何の変哲もない区間だけれど、今度はそのルーツに繋がる写真集に載る一枚一枚の写真を味わいながら、歩いてみたいと思う。
それにしても、つくづく思うのだけれど、板橋区民宅に埋もれている貴重な写真はまだまだたくさんあるはずだ。赤塚新町に習い、各地域でもこうした古写真を提供しあい、区民の貴重な記憶財産として後世に残すような取り組みがあれば良いのになあ、と願うのである。
[追記]
板橋区内で撮影された古写真は、板橋区立公文書館で随時受け入れを行っている。しかしである。告知をして門を開けていても、簡単に集まるものじゃあない。知ってはいても、わざわざ探して持ってきてくれるというケースはほとんどない。こちらからドアを叩き、時には泣き落としてでもお願いしなければ手に入らないのだ。赤塚新町でも、OB会の尽力で写真は集まった。板橋区民は、その努力に感激したのである。(啓志線の写真も意識して探したそうだが、発見には至らなかったとの事。)
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 板橋区民「青天を衝け」第三回高速感想を述べる。(2021.02.28)
- 板橋区民、高島秋帆先生と似たような境遇となる。(2021.02.20)
- 2021板橋区田遊び強化週間終わる。(2021.02.15)
- 板橋区民、「青天を衝け」を観て高速感想を述べる。(2021.02.14)
- 板橋区民、ワクワクが止まらなくなる。(2021.02.11)
コメント