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板橋農民、恐怖する。

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 世間はお盆シーズンに入りましたね。昨日、リハビリのため(温泉に浸かるだけですが)にシューイチで通っている埼玉スポーツセンターの温泉へ行きましたが、川越街道は働き者のトラックと外環に乗る車で大渋滞でした。源泉は相変わらずコンディションが良く、気持ちよかったです。。


”ネタに困ったら新聞記事”てなことで今回は昭和22年1月8日付けの毎日新聞から。

「何の恨み?板橋の恐怖」とセンセーショナルな見出しから始まる誌面ですが、時は戦後の混沌とした時代が続く昭和22年1月の事。成増陸軍飛行場跡が一時的に農地となり、収穫を目前に米軍家族住宅地としての転用が決まり、本格工事が始まろうかとする頃ですね。
松の内があける6日夜から7日早朝にかけ、志村中台を中心とした地域で、連続して放火魔が農家に次々に火を付けるという事件が起こった。その数11軒に及び、住宅や物置などが全焼した。犯人はまだ捕まっていない。
記事によれば、農家ばかりが狙われているので「農村への買出しをめぐって先鋭化した都会人と農村民との感情対立の結果ではないか」とみて捜査をしている。

放火のあった場所は、平和台方向から続く環八を走ると見渡せる地域にある。今でもなんとなく農村地帯だった頃の面影を感じられますね。6日午後8時46分に上板橋の宝田さん宅が最初に火をつけられ、翌午前2時頃に出火した西台の内田宅が最後だった。内田宅の隣人が放火魔の姿を見つけ追いかけたが、犯人は暗闇にまぎれ取り逃がしてしまった。若い男で戦闘帽を被り、陸軍の外套を着ていたという。(一番右の写真が犯行時の様子を語る隣人達)
狙われた農家の方々は、志村署生活係の談によれば、いずれも純朴な農家の方々で供米成績も良く、これまで検挙されたり監察を受けたこともないそうで、悪徳農家も見当たらないという。


この新聞記事には、実に興味深いことが書かれていた。それは、志村警察署への取材で聞き込んだ情報と思われる内容で、記事から引用すると「食料危機の訪れた昨年の買出し最盛期にも同方面への買出しは比較的少なく東上線上板橋、常盤台、東武練馬各駅で降りる買出し客は三駅合して一日わずかに120人程度、この辺に来る買出し客はほとんど縁故関係でねぎ(公定価格19円50銭)ごぼう(公22円10銭)にんじん(公20円70銭)がいずれも28円くらいで特に暴利を得ているとはいわれず、直接被害農家に対する恨みの犯行説は薄らいでいる」と結ばれている。

趣味を板橋区として定めて調べ始めた頃、板橋区内の交通事情と成増飛行場を大きなテーマとしていた。基本として統計資料を調査したけれど、東上鉄道時代と戦中戦後すぐの頃の資料を見つけるのに苦労し、特に終戦間際や直後については他の鉄道もそうだけれどよくわからない場合がほとんどだった。(資料が出てくるのは朝鮮戦争頃から)
記事によれば、昭和21年の買出し最盛期(おそらく夏から秋にかけての時期)に、上板橋、常盤台、東武練馬各駅で降りた買出人は、3駅で1日120人程度であったと書いてある。さすがに闇取り引きを取り締まっていただけあり、ちゃんと調べていたようだ。ということは、1日の乗降客数も把握していたのだろう。戸田橋など県境に接する場所に検問所が設けられていたという話も聞きますね。


新聞記事には、こんなお宝情報が隠れていることがあるので面白いモノです。明治時代の板橋競馬場や廃止後にグライダーの飛行実験が行なわれた様子なども新聞記事で詳しく取材されていて、あなどれません。
‥しかし、いかんせん老眼の身には記事を詳細に読むのがキツいっすね。。

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