板橋区民、零戦のエンジン始動を体感する。
今日から12月。師走ですなあ‥と感傷に耽るのもつかの間、どうしても行かねばならぬイベントがあり、早起きをして木枯らし吹く中行ってきましたよ〜
さてそのイベントとは‥、マニアな方々ならばご存知、航空公園内にある”所沢航空発祥記念館”で行なわれた「エンジン始動見学会」!
あの、アメリカはキャリフォルニア州にある、プレーンズ・オブ・フェーム航空博物館所有の、世界唯一のほぼ完全オリジナル機体である零式艦上戦闘機(零戦52型機)の”生きている栄エンジン”を動かし、ペラを回す姿を公開しちゃうぞ!てなイベントである。
私は成増陸軍飛行場を信奉する人間なので、基本、陸軍機が興味の対象ではあるが、大東亜戦争を戦ったオリジナルな機体を持ち、なおかつ可動な戦闘機を日本で見る機会は無いので、是非ともその御尊影を拝み、焦げたエンジンオイルの二ホイを嗅ぎたい‥とすっかり重くなった腰を上げたのだった。
東上線住みの身上としてはアウェイである西武線に乗り、いざ航空公園駅へ。駅から広い公園の中を通り記念館へ急ぐ。少し汗をかいた体に木枯らしが心地よかったが、記念館の建物の周辺には黒山の人、人、人、‥
時計を見ると午前8時半を回った所だ。告知によれば整理券の配布は10時からということだが、どうしたどうした‥なんと一日3回設定されているエンジン始動会の初回&第2回分はこの時点ですでに満杯であった。
‥うかつだった。。1回の整理券が定員420人分なので1時間半前に行けば余裕さ!なんて考えたのがあまかった。。急いで第3回分の列を探し、走った。しめた、まだ列が短い!息を切らせて並んだがすぐに列は長く後方へ伸びてゆく‥。思えば、木枯らし吹きすさぶ中、長い長い行列に並ぶのは去年のイギリス・ノーザンプトンのジョンロブ・ファクトリーセール以来のことだった。。
おそらく9時頃にはもう第3回目も満員になったであろうか。しかし後から後から人が押し寄せてくる‥。
整理券の配布は午前の部が10時から、午後は12時半からの予定であったが、もう満杯状態で並んでいるわけだから主権者の計らいで9時半過ぎから一斉に整理券の配布が始まった。やった、番号は30番代だ。
整理券を大切にしまい、カチカチに凍えた体を動かし記念館の建物の前へ行くと案の定というか、整理券を貰えなかった群衆が、関係者テントを取り囲んでの怒号の嵐であった。。こんな風景は鉄道マニアならば慣れた景色であろうが、整理券に間に合った人間からするともっと早く来れば、、と思いつつ遠方の方はお気の毒だなとも思う。期待を胸に遠路はるばる辿り着いたが入場出来ない、となればその怒りをどこかにぶつけたくなるのも無理はないかもしれない。。聞けば先頭は昨日の午後7時から並んでいたそうで、明け方で200人の列が出来ていたそうな。
いやはや恐るべし零戦人気である。前回は1995年に茨城県の竜ヶ崎飛行場他で公開され、この時はデモンストレーション飛行をした。このようなヴィンテージ大戦機を飛ばすのは非常にデリケートな行為であり、今回はエンジン始動だけではあるがそれでも様々な問題をクリアしての日本公開で、もうこれが最後の機会と記念館では告知している。
時計を見ると10時だ。記念館のオープン時間だが長蛇の列!そりゃ整理券並んだ人間が1000人以上いますからね〜、外はちょー寒いし。。始動会を見るには特別展の入場券が必要なのでそれを求める方々ですね。入場券は事前にコンビニでも買えるので私はそうしました。さて、私の見学する第3回目は午後2時50分からなので、西武線でもう少し飯能へ向かった稲荷台駅にある狭山市立博物館へ行くことにした。
なぜわざわざ稲荷台へ‥それは、今、狭山市立博物館で「ジョンソン基地とハイドパーク展」が行なわれており、その展示にほんの少し協力したからなんですよ。ジョンソン基地とは現在の航空自衛隊入間基地と東京家政大学の敷地にあった米軍の基地で、戦時中は陸軍士官学校が置かれていました。ハイドパークは基地に併設されたグラントハイツと同じ家族住宅地域の名称です。私は写真と学校関係の書類を提供しました。
いや〜私もいろいろ収集してますが、ドアノブや照明器具、洗面台やはたまた道路標識、米軍ジープのガソリンタンク等々いろんなレアグッズが展示されてますねえ。。ほとんどが個人のコレクションのようです。マニア恐るべし!ですな。
現在、終戦後から基地の返還される昭和40年代までこうした基地で働いていた人達がご高齢の域に達し、今が聞き取りの最後のチャンスかもしれません。
1時間くらい見学して昼ご飯食べて記念館へ戻り、常設展示を見学。ここにはいつもお世話になっている堀山隊長(成増飛行場結成特攻隊・振武隊隊長)が寄贈した飛行服などが展示されているそうで、3階へ行くと、おお、ありました。冒頭の写真が堀山隊長の寄贈品です。飛行服は2着ありますが、後ろが隊長の服です。約70年前にこの服を着て四式戦・疾風に乗っていたのかと思うと感慨深いですね。飛行帽と航法計算板もありました。
見学をしつつ、第2回目の始動会の時間が近くなったので様子伺いに建物隣の会場へ行くと、なんだか人だかりが‥惜しくも整理券を貰えなかった人達が、せめて音だけでも聴こうと集まっていたんですね。(写真)
エンジン音は外からもよく聞こえ、オイルの焼けた匂いもしてきました。エンジン音が止むと、自然と拍手が沸きました。さあ、次はいよいよ第3回目の番です。。
午後2時15分、待ちにまった入場が始まりました。太陽もだいぶ傾き、逆光がきつくて撮影には不向きだったけど、なんとか順光かぶりつきの場所を確保。そこから開始までの待機時間は冷たい風に吹かれ寒いのなんの、久しぶりに手がかじかんじゃいました。
2時45分、解説がはじまりスタッフ紹介の後、いよいよエンジン始動です!プレーンズ・オブ・フェーム航空博物館のスタッフ3人もスタンバイ、あれ?なんだか外部バッテリーを繋いでますね。。どうやら始動はオリジナル零戦には無いセルモータを使い、エンジンをかけるようです。後の様子は動画でお楽しみ下さい!!
無事、イベントが終わりあらためてスタッフの紹介がありました。70年前のヴィンテージエンジンを動かすのは非常にナーバスな問題なので、年間20時間くらいしか稼働させないようです。本来は、12月に根拠飛行場のプレーンズ・オブ・フェームで行なわれるイベントで飛行ショーをするのが恒例ですが、今年は日本のファンのためにこちらで公開するとの事でした。ああ、実際に飛んでいる姿を見たいなあ。。いつか必ず‥
次回のエンジン始動会は来年3月に行なわれます。
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